「父なし子にはしたくない」

と、先週のNHK朝ドラ「ブギウギ」で、ヒロインのスズ子は言いました。

 この時代では、至極もっともな日本的感覚と言えそうですが、これは、80年ほど経つ現代でもさほど変わってはいないと言えそうです。

 「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか」(山田昌弘氏)/光文社新書によれば、そうした世間体を重んじる風潮が、日本の結婚の多様化を阻み、結果的に少子化に繋がる一因になっている、と言うことです。

 クライアントの田中優美(仮名)さんは、若い頃、「私は親を大切にしたい。だから親の反対する人との結婚はあり得ない」と公言していたそうです。そう言うと、親だけでなく周りからの評価も高かったのだとか。

 しかし、20年経った今、自分の意思が見えなくなっているそうです。何か新しいことを始めようとしても、踏ん張りが効かない感じ、ということでした。

 夫も子どももいて幸せな彼女ではありますが、自分で選んだ道なのかどうかがわからない、というところに原因があるのかもしれません。

 ある日、思い切って、優美さんはお母さんにそのことを話してみました。

 するとお母さんは、

「あなたが選んだ道でしょ、人のせいにしないでちょうだい!」

と言って激怒しました。優美さんは、お母さんに話したことを後悔すると共に、自分の踏ん張りの効かなさをますます自覚するようになりました。

 ちょうど、高校の同窓会があり、かつての親友にそのことを話すと、

「優美は、あの頃から『私は親の気に入る人と結婚する』って言ってたよね。問題ある家だな・・・と感じていたよ(笑)」と言われたそうです。

 「親を大切にするイイコ」という評価を受けているとばかり感じていた自分。なんてバカだったんだろう・・・と反省する優美さんでした。